公務員からITスタートアップへ挑戦した私の転職体験談 ― 失敗も資産になるキャリアのリアル

近年、「公務員 転職 キャリア」というテーマに関心を持つ人が増えています。安定した立場を捨てて、新しい分野に挑戦する――これは決して簡単なことではありません。しかし、その過程で得られる学びや気づきは、確実に次のキャリアにつながります。私自身、地方自治体で13年間勤務したのち、「公務員からITへ」という大きなキャリアチェンジを経験しました。最初の転職は“失敗”に終わり、入社初月から挫折の連続。それでも、その経験があったからこそ、今の自分があります。本記事では、私の体験を赤裸々に共有し、同じように転職を考える方へのヒントをお伝えします。


公務員を辞めた理由 ― 安定より挑戦を選んだ

私は市役所で13年間、住民対応、政策立案、災害対応など幅広い業務に携わってきました。やりがいは確かにありました。しかし、同じ職場で定年まで過ごす未来を想像したとき、胸の奥に小さな不安が芽生えました。

「このまま同じ環境で40年働くのか?」
「もっと社会に直接インパクトを与えられる仕事はないのか?」

そんな思いが強まり、ついに転職活動を始めました。


転職活動の始まり ― 転職エージェント登録と挫折

最初の一歩は転職エージェントへの登録でした。求人票の数、スピード感、書類や面接のフィードバック……公務員時代にはなかった世界が一気に広がりました。複数社の選考に進みましたが、結果はすべて不採用。

「自分は本当に民間で通用するのだろうか?」
「公務員の経歴なんて役に立たないのでは?」

不安と自信喪失のループに陥りました。転職そのものを諦めようかと悩んでいた矢先、知り合いのITコンサル企業の社長から声をかけてもらいました。


公務員からITコンサル企業へ ― 入社の決断と失敗

中小企業のDX支援への憧れ

もともと私は中小企業のDX支援に強い関心がありました。そのため声をかけてもらったとき、「自分のやりたいことに近いのでは」と思いました。少し迷いはありましたが、チャンスを逃すことへの不安もあり、最終的に入社を決意しました。

IT基礎知識の学習という壁

入社後、最初に与えられたミッションは「IT基礎知識の習得」でした。データベースの仕組み、システム設計、プログラミングの基礎…。知識の重要性は理解していたものの、正直これが苦痛でした。机に向かって延々とインプットする時間は、公務員時代に培った「現場で動く」感覚とはかけ離れており、自分の価値を失ったように感じました。

アサインされた案件と現実

やがて案件に配属されました。しかし、私が思い描いていた「クライアントと議論しながら要件定義を進める」というコンサルティング業務はなく、実際には上司がヒアリングした内容を資料化するだけ。いわゆる作業要員でした。

「もっと手触り感のある仕事がしたい」
「自分で考え、提案できる環境で働きたい」

その思いとは裏腹に、日々の仕事は受け身のまま進んでいきました。

「コンサルはいらないのでは?」という疑問

次第に私は、「コンサルタントって本当に必要なのだろうか?」と思うようになりました。クライアントに寄り添うはずが、実際には距離があり、社会に直接貢献している実感は得られませんでした(コンサルが不要と言ってるわけではないので誤解なさらず)。

むしろ「支援する側」ではなく「自分たちの手でサービスを提供する事業会社のほうが面白いのでは」と強く感じるようになりました。ここで私は、最初の転職が失敗だったと認めざるを得ませんでした。


転機 ― 事業会社からのスカウト

そんなとき、ある事業会社からスカウトをいただきました。その業界についての知識はゼロでしたが、会社のビジョン社会課題に挑む姿勢に強く共感しました。

「ここなら、自分が思い描いていた“手触り感のある仕事”ができるかもしれない」

迷いもありましたが、私は再び挑戦することを決意しました。この選択が結果的に、自分にとって大きな転機となりました。


公務員から民間企業へ ― 失敗から得た3つの学び

① 失敗はキャリアの棚卸しになる

ITコンサルでの挫折を通して、「自分がやりたくないこと」が明確になりました。これは大きな収穫でした(後述してますが、逆に「やりたいこと」を見つけることは容易ではないと考えています)。

② 公務員経験は活きる

公務員時代に培った調整力文書作成能力、住民対応での傾聴力は、事業会社でも活かせました。ユーザー目線での発想や、多様な部署を巻き込むスキルは強みになっています。

③ キャリアは直線ではなく試行錯誤

最初の転職で失敗しても、その経験があったからこそ自分に合う環境にたどり着けました。キャリアは直線ではなく、試行錯誤の積み重ねです。


これから公務員から転職を考える方へ

  • 転職初期はギャップを前提にする:理想と現実の差を受け入れることから始まる
  • やりたいこと/やりたくないことを整理する:失敗を通してでも明確にする価値がある
  • ビジョンや共感を重視する:スキルより理念に共感できるかが続けられるかの鍵
  • キャリアはやり直せる:最初の転職で失敗しても、その経験は必ず次の選択に活きる

まとめ ― 失敗も資産になる

公務員からITスタートアップへの挑戦は簡単ではありません。私自身、ITコンサル企業に入社したときは「間違った選択をした」と悔やみました。しかし、その挫折があったからこそ、自分に合う環境や仕事観に出会えたのです。

失敗も、挫折も、キャリアにおいては確かな資産です。もし今、「このままでいいのか」と悩んでいる公務員の方がいるなら、一歩踏み出してみてください。たとえ最初に失敗しても、その経験は必ずあなたのキャリアを強くしてくれます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 公務員からIT業界への転職は本当に可能ですか?

はい、可能です。実際に私も未経験からIT業界へ転職しました。最初は基礎知識の習得が大変ですが、調整力や傾聴力など公務員で培ったスキルは十分活かせます。

Q2. 公務員のキャリアは民間企業で評価されますか?

評価されます。特に調整力・責任感・公的視点は企業にとって価値があります。ただし専門スキルが不足していると選考で不利になることもあるため、学習や資格取得が役立ちます。

Q3. 公務員からの転職で失敗しないためには?

「やりたいこと」と「やりたくないこと」を事前に明確にすることです。ですがこれは簡単なことではありません。専門の相談員や転職経験者等に相談するのも良いと思います。また、求人票だけで判断せず、実際の仕事内容や社風をできる限り把握することも重要です。

Q4. 公務員から民間企業への転職におすすめの業界は?

一概には言えませんが、IT、コンサル、地域活性関連、教育、人材業界などは公務員経験と親和性が高い傾向にあります。

Q5. 転職が失敗だったと感じたらどうすればいい?

「失敗」と感じても、それはキャリアの棚卸しになります。自分に合わない環境がわかること自体、大きな前進です。次の転職に必ず活かせます。

まずは小さく一歩を

もし今、かつての私と同じ場所に立っているなら、キャリアの棚卸しから始めてみてください。むしろ公務員のままの方がいい場合もあるかも知れません。一人で抱え込まずに、まずは壁打ちを。ご相談お待ちしております。

※本記事は筆者の個人の体験に基づくものであり、所属組織の見解を代表するものではありません。

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公務員として働きながらも、異動や人事評価、将来のキャリアに不安を抱える方は少なくありません。「次の配属先で自分は活躍できるのか」「スキルアップや資格取得は何から始めればいいのか」「このまま定年まで続けるべきか、それとも新しい選択肢を考えるべきか」――そんな思いを整理するのは、一人では難しいものです。

同じく公務員の現場を経験し転職も経験したメンバーが、あなたの立場を理解しながら相談に応じます。

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編集長 プロフィール

山本 良 (Ryo YAMAMOTO)
大学卒業後、地方自治体に入庁。廃棄物、福祉、産業振興行政に従事。業務の中で中小企業、スタートアップの経営者と関わる中で、自分は何者になりたいのかと意を決し民間企業へ転職。IT企業を経て、2025年よりシェアサイクルサービスを展開する企業に参画。公共政策部のメンバーとして従事する傍ら、自分と同じく悩める公務員のキャリアをサポートしたいと決意し、本メディアの編集長に就任。

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