公務員としての安定と心の葛藤
※嫁ブロックは妻→夫の一方通行ではないという前提をご理解いただき、ここでは敢えて認知の世間一般的に認知のある「嫁」という言葉を使わせていただいております。
私は地方自治体で13年間、公務員として働いてきました。世間から見れば「安定した仕事」「家族も安心できる職業」かもしれません。しかし、実際に現場に立ち続ける中で、ふとした瞬間に自分の中で疑問が膨らんでいきました。
「このまま定年まで同じ場所で働き続けるのだろうか?」
「もっと挑戦できる道があるのではないか?」
夜遅くまで会議や事務作業に追われ、家に帰れば子どもはすでに眠っている。唯一会話ができるのは朝のわずかな時間だけ。そんな日々を重ねる中で、「家族のために公務員を続けること」と「自分自身のキャリアの成長」がかみ合わなくなっていきました。
転職を決意した時に立ちはだかった「嫁ブロック」
転職を決意した時、最初に向き合わなければならなかったのは職場ではなく、家庭でした。妻からははっきりと条件を突きつけられました。
- 年収を下げないこと
- 転勤をしないこと
子育て世代にとって、収入と生活基盤は何より大切です。妻にとって「安定を手放すこと」はリスク以外の何ものでもありませんでした。私は必死に説明しました。「ただやりたいから転職する」のではなく、「家族の時間を守りたいからこそ転職する」のだと。
家族にコミットすると誓った決意
私は妻にこう約束しました。
「転職したら、これまで以上に家族にコミットする。子どもの送り迎えも、学校行事も、必ず参加する。」
これは口先だけの約束ではありません。役所時代、子どもの成長を見逃してきた悔しさが、心の奥に積み重なっていたからです。
転職後、私は実際に子どもの小学校への送りや、習い事の送り迎えを担当するようになりました。最初は子どもに「パパが来るの?」と驚かれましたが、今では「今日は一緒に行こう!」と笑顔で言ってくれるようになりました。その瞬間、「転職してよかった」と心から感じました。
価値観の違いをどう乗り越えるか
家族との価値観のズレを乗り越えるには、感情論だけでは足りません。具体的な行動と数字が必要です。私は以下のことを徹底しました。
- 給与シミュレーションを見せる
転職後の年収見通しを具体的に提示。将来の教育費や住宅ローンをどう賄うかを「数字」で説明しました。 - 転勤がない仕事を選ぶ
家族の生活基盤を守るために、勤務地が固定される職種・企業を徹底的に探しました。
妻が抱えていた「不安の正体」を一つひとつつぶしていく作業。これを繰り返す中で、次第に「反対」から「応援」に変わっていったのです。
公務員のキャリアを活かす新しい道
公務員として培ったスキルは、民間でも高く評価されます。
- 調整力 → IT企業でのプロジェクトマネジメント
- 法令理解力 → コンサルや規制対応分野
- 文書作成力 → 教育・研修分野でのコンテンツ開発等
私は「公務員だから民間では通用しない」という思い込みを捨てることで、自分のキャリアの可能性を広げることができました。
嫁ブロックは敵ではなく「不安のサイン」
公務員からの転職において、嫁ブロックは避けられない壁です。しかしそれは、家族を守りたいという「不安の表れ」であって、敵ではありません。
大切なのは、その不安に寄り添い、具体的な対策を一緒に考えていくこと。「家族を置き去りにした転職」ではなく、「家族とともに描くキャリアチェンジ」こそが、子育て世代の公務員に必要な姿勢だと私は強く感じています。
まとめ|家族と共にキャリアを描く
転職を通じて、私は「安定を捨てた」のではありません。「安定の形を変えた」のです。
- 家族と過ごす時間を増やすこと
- キャリアを伸ばし、将来の可能性を広げること
- 子どもに背中で「挑戦する姿」を見せること
これらはすべて、公務員を辞めて転職したからこそ実現できたものです。
もしあなたが今、「嫁ブロック」で悩んでいるなら、それは成長への入口に立っている証拠です。恐れず、家族と共に未来を描く一歩を踏み出してほしいと思います。
一歩を踏み出すために
転職を考え始めたときに最初にやるべきことは、「実際に自分がどんなキャリアを築けるのか」を客観的に知ることです。
私はキャリア相談を受けたことで、自分では気づいていなかった強みや選択肢を知り、不安を自信に変えることができました。もし少しでも今の働き方や将来に迷いを感じているなら、キャリアの専門家に相談することを強くおすすめします。
家族と対話するための材料を増やし、自分の可能性を広げるためにも、一人で抱え込まずに、まずは壁打ちを。ご相談お待ちしております。



