公務員13年目のジレンマ “安定”と“成長”どちらを選ぶべきか?

公務員13年目のジレンマ:“安定”と“成長”どちらを選ぶべきか?

公務員としての安定したキャリアを歩んできた私が、12年目に直面したのは「このままでいいのか?」という静かな焦りでした。この記事は、私自身の体験をもとに公務員の転職をどう考え、どう動いたかを語り切る記録です。同じ悩みを抱えるあなたの、一歩のヒントになれば幸いです。

安定の裏側に潜む葛藤

私は市役所で公務員として13年間働いてきました。給与も福利厚生も手堅く、周囲からは「安定していて羨ましい」とよく言われました。けれど、予算要求、議会対応等同じ業務サイクルが続くなかで、次第に「この仕事は自分でなくてもいいのではないか」と成長実感が薄れていきました。

「このまま係長になって、課長になって、部長になって、、」
「どこみて仕事してんだろう、、」
「このまま定年まで走り抜けていいのだろうか?」

そう自問する時間が増え、公務員 転職 キャリアという言葉を初めて検索窓に打ち込みました。

転職を考えたきっかけ

これといった決定打はありませんが、経済局に配属されていた4年間でたくさんの民間企業の方、中小企業やスタートアップの経営者と話す機会が多かったことがきっかけとなったと思っています。民間企業の意思決定の早さ、「毎日苦しいけど、もう会社員には戻れないよ」と語る経営者の表情は私にとってとても刺激的でした。私は、安定挑戦のあいだで、初めて現実的に選択を迫られました。

公務員が転職で直面する3つの壁

  1. キャリアの言語化の難しさ
    「調整業務」「事務処理」をどう民間向けに翻訳するかが分からない。
  2. 市場価値への不安
    「公務員経験しかない自分に需要はあるのか?」という自信の揺らぎ。
  3. 安定志向とのせめぎ合い
    「失敗したら戻れない」という恐怖が意思決定を鈍らせる。
  4. 【番外編】嫁ブロック(これ結構大事)
    「自分の人生は自分だけのものじゃない」という家族を背負う重圧。

壁①キャリアの言語化の難しさ

定期的に人事異動があり毎回の異動が転職のような地方公務員だったので、「自分は行政経験で何を得られたのだろう」「自分の強みとは?」と自問自答を繰り返す日々が続きました。民間企業のように目の前の利益を求めてるわけでもない、やっている業務は法令の解釈・作成や、政策の企画立案、議員・各種団体との調整など、民間にはほぼ存在しない機能ばかりだし。

壁②市場価値への不安

壁①と似ていますが、公務員(特に地方公務員)は配属された仕事や業界のことがようやくわかってきたと思ったら異動してしまうため、特定のスキルを持ったスペシャリストではなくゼネラリストになりがちです。自分は民間に行って通用するのだろうか、そもそも公務員って下に見られてるんじゃないんだろうか、といった感情を常に持っていました。

壁③安定志向とのせめぎ合い

私自身、安定しているからという理由で公務員を選んだわけではありませんでしたが、やはり毎月決まった日に決まった金額がもらえる、それもよっぽどのことがない限り前月を下回ることがないというメリットに対して、どこまでリスクをおかして行動するのが正しいのか正解が見えないでいました。

【番外編】嫁ブロック

あるあるですよね。ただ、誤解しないでいただきたいのは家族の安定を考えるとブロックされるのは当然だということ。特に小さなお子さんがいて仕事をセーブしている状況の奥さんにとっては「あなたばかりキャリアのこと考えれていいよね」といったグーの根も出ないことを言われたり、家族のことを考えての正論ですけどね。

乗り越えるために必要だった考え方

私を前に進ませたのは、次の3つの転換でした。

  • 「安定を守る=安全」ではない:学び直しや環境変化も自分を守る力になる。
  • 公務員で積み上げた経験は市場価値になる:折衝力、制度設計、誠実な実務は民間でも武器。
  • とりあえず動いてみる:頭で考えてても答えは出ない。動いてみて初めて見える世界がある。

一旦相談してみる

私自身、一般的なエージェントの登録のみで誰かに相談することなく転職を決めてしまいました。これによる失敗談もあり、このあたりは別記事でお話しさせていただければと思いますが、やはりいろんな角度から自分のことを客観的にみてくれる、自分に寄り添ってくれる相談者がいればよかったと後悔した時もありました。正直一般的なエージェントは公務員のことを知りません。また転職したこともない担当者が自分に付く場合もあり、「転職したことないのに何わかってんねん」的なこともあると思います。その点以下のような公務員特化型のサービスは公務員ならではの背景を丁寧に汲み取ってくれると思いますし利用する価値はあるのではないかと思っています。(外部サイト)。

  • Gov2Career
    「公務員からの転職」に特化。公務員出身アドバイザーが、経験の民間向け翻訳を一緒に設計してくれる。
  • 公務員キャリアNOW!
    セカンドキャリア支援に特化。現職の悩み段階から相談でき、ライフプランとキャリアの整合を伴走。
  • クジラボ
    公務員向けキャリア支援プログラム。研修で自己理解を深め、強みの棚卸しと言語化を支援。
  • VOLVE
    官と民をまたぐ越境転職を支援。行政経験を社会課題解決のビジネスへ拡張。

決断の先に見えた景色

私は最終的に、ベンチャー企業への転職を選びました。もちろん不安はありましたが、挑戦する自分を取り戻した今、仕事にもう一度ワクワクできています。公務員として培った公共性・誠実さ・調整力は、形を変えて今も土台になっています。

まとめ:安定と成長、両方を選ぶ

  • 公務員12年目、安定の裏で成長への渇望に気づいた。
  • 転職の壁は言語化・市場価値・恐れ。だが整理すれば越えられる。
  • 鍵は未来志向専門家の伴走、そして経験の翻訳
  • 公務員 転職 キャリアは二者択一ではない。安定を土台に成長を選ぶという道がある。

まずは小さく一歩を

もし今、かつての私と同じ場所に立っているなら、キャリアの棚卸しから始めてみてください。むしろ公務員のままの方がいい場合もあるかも知れません。一人で抱え込まずに、まずは壁打ちを。ご相談お待ちしております。

※本記事は筆者の個人の体験に基づくものであり、所属組織の見解を代表するものではありません。

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公務員として働きながらも、異動や人事評価、将来のキャリアに不安を抱える方は少なくありません。「次の配属先で自分は活躍できるのか」「スキルアップや資格取得は何から始めればいいのか」「このまま定年まで続けるべきか、それとも新しい選択肢を考えるべきか」――そんな思いを整理するのは、一人では難しいものです。

同じく公務員の現場を経験し転職も経験したメンバーが、あなたの立場を理解しながら相談に応じます。

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編集長 プロフィール

山本 良 (Ryo YAMAMOTO)
大学卒業後、静岡市役所に入庁。廃棄物、福祉、産業振興行政に従事。業務の中で中小企業、スタートアップの経営者と関わる中で、自分は何者になりたいのかと意を決し民間企業へ転職。IT企業を経て、2025年よりシェアサイクルサービスを展開する企業に参画。公共政策部のメンバーとして従事する傍ら、自分と同じく悩める公務員のキャリアをサポートしたいと決意し、本メディアの編集長に就任。

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