公務員として13年間働いて感じた違和感
私は地方自治体で13年間、公務員として働いてきました。入庁当初は「安定した職場」「社会に貢献できる仕事」に大きなやりがいを感じていました。しかし、年月が経つにつれて、日々の業務で感じる違和感が次第に大きくなっていったのです。
特に、部署間の調整や意思決定のスピードの遅さにはストレスを感じました(これ、行政には必要なプロセスであって、決して行政を否定しているわけではなく自分には合わないと思ってしまったと言う意味です)。予算編成や議会対応では複数部署の承認が必要で、意思決定には時間がかかります。時間だけが過ぎ、成果が見えにくい状況に、次第に「自分の成長はこのままで良いのだろうか」と悩むようになりました。
Q. 同じ悩みを持つ公務員は多い?
はい、多くの公務員が「縦割り文化」による閉塞感や意思決定の遅さに悩んでいます。特に中堅~ベテラン層は、自分の裁量や提案力が発揮できず、キャリア停滞を感じやすい傾向があります。
縦割り文化がキャリアに与える影響
縦割り文化とは、部署ごとに業務や責任が硬直的に分かれ、情報や意思決定の流れが制限される状態です。行政だけでなく大企業などもそうですが、私自身多くのプロジェクトでその弊害を体験しました。
役所の事業は単独部署で完結する事業ばかりではなく、各部署横断で実施するような事業も多数あります。同じ方向を向いて事業を推進していければいいのですが、部署間で意見の食い違いや責任範囲の曖昧さにより議論が進まず結局、最終決定まで長い年月を費やすといったことも多々あります。このような体験で、公務員としての安定だけでは満足できない自分に気付きました。
また、環境ってすごく大事だなと感じましたが、個人的な成長や新しいスキルの習得も縦割り文化によって制限されました。異動や研修の機会は限られ、外部との交流もほとんどありません。自己研鑽を行う時間を確保しても、職場で評価される場はほとんどない状況でした。
Q. キャリア停滞を感じたらどうすれば良い?
まずは、自分のスキルや強みを書き出して整理することです。が、自分ではなかなか難しいと思うので専門家等に相談することが近道だと思います。「公務員 転職 キャリア」と検索し、現状の悩みと希望を可視化することで、転職やキャリアチェンジの判断がしやすくなります。
スタートアップで出会った新しい働き方
転機は、経済局への異動でした。同年代くらいの方が民間企業やスタートアップで活躍しているのを見てきて、自分も支援する側でなく当事者としてチャレンジしてみたいと考えるようになりました。フラットな組織文化と意思決定の速さに驚きました。
- チャットツールでリアルタイムに情報共有
- 経営者と距離が近いがゆえの迅速な意思決定
- アイデアをすぐに試し、改善する文化
最初はまず言語に戸惑いましたが(このあたりはまた追々記事にできれば)、公務員時代の調整力や計画力がむしろ役立つことに気づきました。小さな改善提案を積み重ね、実績を形にできた経験は自信につながりました。
Q. スタートアップで成果を出すコツは?
小さく試すこと、失敗を恐れず提案することです。公務員時代の調整力や課題解決力を活かすと、プロジェクト推進力として評価されます。
公務員から民間企業へ転職する際のポイント
公務員としての経験は大きな価値がありますが、民間企業やスタートアップでは組織文化が異なります。私は以下の3つのポイントを意識して転職活動を進めました。
- 価値観の違いを受け入れる:民間ではスピード感や意思決定基準が異なります。初めの数か月は戸惑いましたが、柔軟な姿勢で対応することが重要です。
- フラットなコミュニケーションを試す:自分から情報発信し、会議で積極的に意見を述べることで、信頼を築くことができます。
- 自分の強みを整理して発信する:公務員経験で培った「調整力」「課題解決力」「法令理解」を具体的エピソードとともに履歴書や面接で示すことが重要です。
Q. 公務員経験はどのようにアピールすれば良い?
具体的な課題解決の事例やプロジェクトの成果、組織間調整の経験を提示すると効果的です。「公務員 転職 キャリア」で検索される読者は、特にこの具体性を求めています。
一旦相談してみる
私自身、一般的なエージェントの登録のみで誰かに相談することなく転職を決めてしまいました。これによる失敗談もあり、このあたりは別記事でお話しさせていただければと思いますが、やはりいろんな角度から自分のことを客観的にみてくれる、自分に寄り添ってくれる相談者がいればよかったと後悔した時もありました。正直一般的なエージェントは公務員のことを知りません。また転職したこともない担当者が自分に付く場合もあり、「転職したことないのに何わかってんねん」的なこともあると思います。その点以下のような公務員特化型のサービスは公務員ならではの背景を丁寧に汲み取ってくれると思いますし利用する価値はあるのではないかと思っています。(外部サイト)。
- Gov2Career
「公務員からの転職」に特化。公務員出身アドバイザーが、経験の民間向け翻訳を一緒に設計してくれる。 - 公務員キャリアNOW!
セカンドキャリア支援に特化。現職の悩み段階から相談でき、ライフプランとキャリアの整合を伴走。 - クジラボ
公務員向けキャリア支援プログラム。研修で自己理解を深め、強みの棚卸しと言語化を支援。 - VOLVE
官と民をまたぐ越境転職を支援。行政経験を社会課題解決のビジネスへ拡張。
決断の先に見えた景色
私は最終的に、スタートアップ企業への転職を選びました。もちろん不安はありましたが、挑戦する自分を取り戻した今、仕事にもう一度ワクワクできています。公務員として培った公共性・誠実さ・調整力は、形を変えて今も土台になっています。
まとめ:コンフォートゾーンを抜け出す
- 公務員12年目、安定の裏で成長への渇望に気づいた。
- 現状に満足せず、コンフォートゾーンを抜け出せ!環境の変化で何者でもなれる!
- 鍵は未来志向と専門家の伴走、そして経験の翻訳。
- 公務員 転職 キャリアは二者択一ではない。安定を土台に成長を選ぶという道がある。
まずは小さく一歩を
もし今、かつての私と同じ場所に立っているなら、キャリアの棚卸しから始めてみてください。むしろ公務員のままの方がいい場合もあるかも知れません。一人で抱え込まずに、まずは壁打ちを。ご相談お待ちしております。
※本記事は筆者の個人の体験に基づくものであり、所属組織の見解を代表するものではありません。