公務員が中高生の憧れに?最新動向と背景を解説
2025年7月、ソニー生命が毎年実施している「中高生が思い描く将来についての意識調査」の最新版が発表され、大きな注目を集めています。今回の調査では、全国の中学生・高校生1,000人を対象に「将来なりたい職業」を尋ねた結果、中高生男女ともに「公務員」が1位に選ばれるという過去に例のない結果となりました。
特に男子中学生で初めて「公務員」が1位(16.0%)となった点は、YouTuberやプロスポーツ選手といった人気職を上回ったインパクトのある変化です。また、高校生においても、男子(13.3%)・女子(12.3%)ともに「公務員」が1位となっており、安定志向・社会貢献志向の高まりが見て取れます。
このようなランキング結果は、時代背景や将来への不安、親世代からの影響など、さまざまな社会的要因を反映しており、子どもたちがどのような価値観を持ち、将来の職業観を形成しているのかを読み解く上でも非常に重要です。この記事では、2025年の最新ランキングを男女・学年別に紹介するとともに、過去3年の職業ランキングの推移や、「なりたい理由」の自由回答分析を通じて、今の中高生の職業観を多角的に掘り下げていきます。
【最新版】中高生が将来なりたい職業ランキング(2025年)
男子中学生のなりたい職業ランキング
順位 | 職業 | 割合(%) |
---|---|---|
🥇 | 公務員 | 16.0% |
🥈 | プロスポーツ選手 | 15.0% |
🥉 | YouTuber・動画投稿者 | 14.0% |
4位 | 会社員 | 11.0% |
5位 | ITエンジニア・プログラマー | 10.0% |
女子中学生のなりたい職業ランキング
順位 | 職業 | 割合(%) |
---|---|---|
🥇 | 芸能人(歌手・俳優・声優など) | 15.0% |
🥈 | 公務員 | 14.0% |
🥉 | 会社員 | 13.0% |
3位 | 漫画家・イラストレーター・アニメーター | 13.0% |
5位 | 教師・教員 | 11.0% |
男子高校生のなりたい職業ランキング
順位 | 職業 | 割合(%) |
---|---|---|
🥇 | 公務員 | 13.3% |
🥈 | ITエンジニア・プログラマー | 11.8% |
🥉 | 会社員 | 10.0% |
4位 | 教師・教員 | 9.5% |
5位 | YouTuber・動画投稿者 | 8.0% |
女子高校生のなりたい職業ランキング
順位 | 職業 | 割合(%) |
---|---|---|
🥇 | 公務員 | 12.3% |
🥈 | 教師・教員 | 11.8% |
🥉 | 看護師 | 9.5% |
4位 | 会社員 | 7.5% |
5位 | 芸能人(歌手・俳優・声優など) | 6.8% |
ここから読み取れる傾向
- 男子中学生では公務員が初の1位となり、従来の人気職(スポーツ選手・YouTuber)から安定志向へシフトしている。
- 高校生(男女とも)で公務員が1位となっており、将来の選択肢として堅実性を重視する傾向が顕著。
- 女子中学生は「夢」と「安定」のバランス型で、芸能系と公務員が上位にランクイン。
- 会社員やITエンジニアなどの職種が全体的に上昇傾向にあり、実社会を意識したキャリア観が形成されつつある。
「なりたい理由」に見るフリーアンサーの傾向
自由回答からは、以下のような理由が多く見られました。
- 「人の役に立ちたい」(公務員・教員・医療系)
- 「安定しているから」(会社員・公務員)
- 「好きなことを仕事にしたい」(イラストレーター・ゲーム系)
将来の職業に対して、中高生は単なる憧れではなく、社会性・安定性・自己実現といった視点を複合的に持ち合わせていることが読み取れます。
過去3年「公務員」がなりたい職業で占めた順位(2023〜2025)
年度 | 男子中学生 | 女子中学生 | 男子高校生 | 女子高校生 |
---|---|---|---|---|
2023年 | —(1位:YouTuber) | —(芸術系が上位) | 🥇(15.8%) | 🥈(看護師 1位) |
2024年 | 🥈(13.0%、1位:YouTuber) | —(公務員は7%以上) | 🥈(12.3%) | 🥈(11.5%) |
2025年 | 🥇(16.0%) | 🥈(14.0%) | 🥉(13.3%) | 🥇(12.3%) |
3年間で公務員の人気は着実に上昇しており、単なる一時的なブームではなく、価値観の変化に根ざしたトレンドであることがわかります。
まとめ|なぜ今「公務員」が中高生に選ばれるのか?
2025年の最新調査では、中学生・高校生の男女ともに「公務員」がなりたい職業の第1位という結果が明らかになりました。これは、これまでの民間志向から一転し、公務員職が「将来の安定性」「社会貢献性」「長期的なキャリア展望」において、次世代からも強く支持されている証といえるでしょう。この結果は、現役の公務員である皆さまにとっても、大きな意味を持ちます。従来、公務員という職業は“地味”や“堅い”といったイメージを持たれがちでしたが、いまや若年層にとって「社会課題に真正面から取り組む、信頼される職業」として認識されつつあるのです。
一方で、公務員の業務は近年ますます高度化・多様化しており、従来型のスキルセットだけでは対応しきれない時代が到来しています。デジタル行政、地域活性、危機管理、国際連携など、あらゆる領域でスピード感と専門性が求められ、公務員としての市場価値を高め続けるためには、日々の自己研鑽と学び直し(リスキリング)が欠かせません。
今の子どもたちが「なりたい」と思う仕事に就いたとき、憧れられた存在にふさわしい背中を見せられるかどうか。その責任と可能性が、まさに現役職員の皆さまに託されています。キャリアの後半であってもなお、学び・進化し続ける職員こそが、未来の公務員像をつくる時代です。
今こそ、未来の担い手たちの期待に応えるべく、ご自身の専門性を再定義し、新たなスキルや視点を身につけるタイミングではないでしょうか。「なりたい職業」に選ばれた今こそ、「なり続けたい職業」であり続けるための次の一歩を踏み出しましょう。
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少子高齢化、デジタル化、自治体の役割拡大など、時代の変化に伴い、公務員にも新たなスキルが求められています。配属や異動に左右される中でも「自らの市場価値を高めること」は、安定したキャリアを築くうえで欠かせません。また、近年は民間企業への転職や副業を視野に入れる人も増えており、自己投資の重要性が高まっています。
この特集記事では公務員の方に特に人気のあるスキルアップ分野と、それぞれに適したオンライン学習サービスをご紹介しています。いずれも忙しい現職の方でも無理なく取り組めるよう設計されており、資格取得やリスキリング・実務への応用にもつながります。
変化の時代に備えて、自ら学ぶことを真剣に考えるすべての公務員の方にとって、役立つ記事となっております。ぜひご一読ください!