【NEWS】国家公務員「なり手不足」解消へ 省庁横断チームが魅力発信を強化

国家公務員のなり手不足に対応、省庁横断チームが魅力発信へ

NHKが2025年7月17日に報じたところによると、政府は国家公務員のなり手不足に対応するため、若手職員による省庁横断の「魅力発信チーム」を発足させました。内閣人事局と人事院が主導し、34府省庁から約70名の若手職員が参加。今後、若者に向けて公務の魅力を効果的に発信していく方針です。

背景:進む志望者の減少

国家公務員(総合職)の採用試験における志願者数は減少傾向が続いています。人事院が公表した令和6年度の試験実施状況によると、総合職の申込者数は前年比で約4.6%減少し、過去10年で最も低い水準となりました。

要因としては、民間企業との競争激化や、長時間労働、国会対応の負担などが指摘されています。

若手職員が自ら魅力を発信

今回発足したチームでは、若手職員自身が「仕事のやりがい」や「社会への影響力」など、実体験をもとに国家公務員の魅力を再発見し、効果的に外部へ発信することを目指しています。SNSや動画、イベントなどの媒体を活用し、特に大学生へのアプローチを強化していく予定です。

年内に魅力発信の戦略策定へ

チームは今後、月1回程度の会合を重ね、年内に官民連携も含めた広報戦略を策定。著名人とのコラボレーションや職員のリアルな声を反映したPR企画なども検討されています。

構造的課題の並行解決も求められる

一方で、制度や働き方の改善なくしては本質的な志望者減少の歯止めにはならないとの指摘もあります。すでに一部の省庁では、柔軟な勤務体制や若手登用の見直しを進めており、今後は魅力発信と併せて環境整備の両輪での取り組みが求められています。

今後への期待

官僚のなり手不足は、行政の持続可能性や多様性にも関わる重要課題です。今回の省庁横断の取り組みが、若者の関心を喚起し、志望者数の回復に向けたきっかけとなることが期待されます。

参考データ

  • 令和6年度国家公務員採用総合職試験 申込者数:20,903人(前年比▲4.6%)
  • 出典:人事院公式サイト